エ・ランテル冒険者組合に所属する冒険者、ソーイ……
として、ナザリック外での活動を行う戦闘メイド、
ソリュシャン・イプシロン。
彼女が今回身に纏っているのは、トブの大森林と
アゼルリシア山脈南端の間に位置する湖を調査する為の
水陸両用最終決戦兵器――水着だ。
共に調査に出た魔導国研究所に勤めるゾフィ・ノイアは
ソーイの水着姿をまじまじと眺め、ひとしきり観察を
終えると、「美しい肌だな。不思議と目が
吸い寄せられて行ってしまうようだよ」と笑った。
そんな恐るべき研究者の勘に、ソーイとスライム子は
思いがけず目を見合わせたようだ。
全ての調査を終えナザリックに帰還したソリュシャンは
姉妹であるプレアデスたちに「あんな目で人から
見られたのは生まれて初めて」と語ったとか。
「黄金」と名高いラナー王女に並ぶとも目される
ソーイの美貌であれば、人からじろじろ見られる事は
日常茶飯事では、とユリから言われたが、それとは全く
別種の視線だったと振り返った。
そして、ゾフィに飼われている
衛生粘体（サニタリースライム）に、少しばかり思いを
巡らせてみたらしい。
機会があれば話を聞いてみようかしら、と思った彼女は
後に研究所の警備を任されその機会を得る。
その警備の際には同時に、恐るべき試練が
待ち構えているが―― それはまた、別の場所で
語られる話である。