
ただ、月がきれいだったから。
月を见に縁侧に出ただけなんだ。
月见酒
今日はタカオの家に泊まりに来ていた。いつものように、座敷に六人で雑鱼寝していたのだ。
ボクは何だか明るいなと思って目が覚めた。外を见ると、きれいな月があった。
縁侧に座って一人でお月见。こんなきれいな月、みんなに见せてあげたい。
けれど、みんな寝てる。起こすのは可哀想だ。
もったいないけど、独り占めしよう。
一人で空を见上げていると、奥からゴソゴソと音がした。
「カイ?」
出てきたのはカイ。
「どうしたんだ?こんな真夜中に」
カイの言叶に、ボクは空を指さして答える。
「カイ、ほら见て。月がきれいだから」
「本当だな」
くすっと、カイは月を见て笑った。その颜は月の光に照らされて、本当にきれいだった。
「隣いいか?」
「うん、いいよ」
カイは、ボクの隣に腰を下ろした。
そのまま、二人无言で月を见つめた。
言叶なんか何一ついらない。この空に言叶など全く必要なかった。
二人ともずっと黙って空を见上げていた。
ふとカイが言った。
「マックス、今日は満月なのか?」
「う~ん、分からないネ」
ボクは首を横に倾けて答えた。
すると、ふと考え込むような仕草をした后、こうつぶやいた。
「満月っていうシチュエーションは最高なんだけどな」
「え?」
突然カイはボクの方を向き、にやりと笑ってボクの肩を押した。
「へ?」
カイはボクを押し倒した。
そして、自分の唇をボクの唇に押し付けてきた。
「んーんー」
さらに舌を差し出してくる。
「ふっん はぁ」
舌を散々弄ばれ、唇を离すころには、ボクの口の端からお互いの唾液が垂れていた。
「はぁ、カイっ」
ボクは叫ぶように言叶を放った。が、その言叶は空しくも擦れてしまっている。
すると彼は、人差し指を自分の唇の前で立て、その指をボクの唇の前まで持っていった。
「静かにしろ。谁かが起きるぞ」
カイは嬉しそうに、唇の端を钓り上げた。
さすがにこの姿をみんなに见せるのは嫌だ。
怒りと羞耻と酸素不足で、ボクの颜は赤いはずだ。
月の光に照らされたボクの颜を眺め、カイはつぶやいた。
「绮丽だな…」
それは何のことを言っているのだろうか。
激しいキスで头がボーっとして何も考えられない。
身体に所有印を残されているときには抵抗もできず、なすがままにされていた。
ボクに迹を残しながら、カイは优しそうな微笑みを见せ、
「绮丽だな…」
とさっきと同じことを言う。
その言叶は、ボクに向けたものだろうか。
カイの瞳をあの満月のように独占できたら。
言叶にするのも耻ずかしい、はかない愿いを胸に
ボクはゆっくり瞳を闭じた。
月を见に縁侧に出ただけなんだ。
月见酒
今日はタカオの家に泊まりに来ていた。いつものように、座敷に六人で雑鱼寝していたのだ。
ボクは何だか明るいなと思って目が覚めた。外を见ると、きれいな月があった。
縁侧に座って一人でお月见。こんなきれいな月、みんなに见せてあげたい。
けれど、みんな寝てる。起こすのは可哀想だ。
もったいないけど、独り占めしよう。
一人で空を见上げていると、奥からゴソゴソと音がした。
「カイ?」
出てきたのはカイ。
「どうしたんだ?こんな真夜中に」
カイの言叶に、ボクは空を指さして答える。
「カイ、ほら见て。月がきれいだから」
「本当だな」
くすっと、カイは月を见て笑った。その颜は月の光に照らされて、本当にきれいだった。
「隣いいか?」
「うん、いいよ」
カイは、ボクの隣に腰を下ろした。
そのまま、二人无言で月を见つめた。
言叶なんか何一ついらない。この空に言叶など全く必要なかった。
二人ともずっと黙って空を见上げていた。
ふとカイが言った。
「マックス、今日は満月なのか?」
「う~ん、分からないネ」
ボクは首を横に倾けて答えた。
すると、ふと考え込むような仕草をした后、こうつぶやいた。
「満月っていうシチュエーションは最高なんだけどな」
「え?」
突然カイはボクの方を向き、にやりと笑ってボクの肩を押した。
「へ?」
カイはボクを押し倒した。
そして、自分の唇をボクの唇に押し付けてきた。
「んーんー」
さらに舌を差し出してくる。
「ふっん はぁ」
舌を散々弄ばれ、唇を离すころには、ボクの口の端からお互いの唾液が垂れていた。
「はぁ、カイっ」
ボクは叫ぶように言叶を放った。が、その言叶は空しくも擦れてしまっている。
すると彼は、人差し指を自分の唇の前で立て、その指をボクの唇の前まで持っていった。
「静かにしろ。谁かが起きるぞ」
カイは嬉しそうに、唇の端を钓り上げた。
さすがにこの姿をみんなに见せるのは嫌だ。
怒りと羞耻と酸素不足で、ボクの颜は赤いはずだ。
月の光に照らされたボクの颜を眺め、カイはつぶやいた。
「绮丽だな…」
それは何のことを言っているのだろうか。
激しいキスで头がボーっとして何も考えられない。
身体に所有印を残されているときには抵抗もできず、なすがままにされていた。
ボクに迹を残しながら、カイは优しそうな微笑みを见せ、
「绮丽だな…」
とさっきと同じことを言う。
その言叶は、ボクに向けたものだろうか。
カイの瞳をあの満月のように独占できたら。
言叶にするのも耻ずかしい、はかない愿いを胸に
ボクはゆっくり瞳を闭じた。